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「くしゃみをしたら漏れてしまった」「トイレに間に合わなかった」——そんな経験、実は多くの方が抱えています。
40歳以上の女性の4割以上が尿漏れを経験しているにもかかわらず、恥ずかしさから受診をためらう方がほとんどです。でも、尿漏れは決して「仕方ない」ことではありません。
症状の種類や原因を正しく理解し、適切な治療や予防策を取ることで、多くの場合に改善が期待できます。今回は、尿漏れの種類・原因・治療法・日常でできる予防策まで、詳しく解説します。
大阪府堺市の初芝駅前にあるななほしクリニックでは、婦人科診療として骨盤臓器脱・膀胱炎の治療に対応しています。お気軽にご相談ください。
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ななほしクリニック|大阪府堺市・初芝駅徒歩すぐ
尿漏れの症状でお悩みの方へ。症状の種類や程度により適切なケアの方向性は異なります。専門医が丁寧にご説明しますので、まずはお気軽にご相談ください。
診療時間:月〜火・木〜金 9:00〜19:00 水・土 9:00〜16:00 日曜定休
尿漏れ(尿失禁)とは?基本を知ろう
尿漏れは「病気」です。
正式には尿失禁と呼ばれ、「自分の意思とは関係なく尿が漏れてしまう状態」と定義されています。加齢や出産、ホルモン変化などさまざまな要因が重なって起こります。
恥ずかしいから、年齢のせいだから——そう思って一人で抱え込んでいる方がとても多いのが現状です。しかし、尿失禁には種類に応じたきちんとした治療法があります。我慢せずに専門医に相談することが、改善への第一歩です。

尿漏れの4つの種類
尿失禁は大きく4つに分類されます。自分がどのタイプかを知ることが、適切な治療への近道です。
- 腹圧性尿失禁:咳・くしゃみ・運動など、お腹に力が入ったときに漏れる
- 切迫性尿失禁:急に強い尿意が来て、トイレに間に合わずに漏れる
- 溢流性(いつりゅうせい)尿失禁:尿が出にくいのに、少しずつ漏れ出てしまう
- 機能性尿失禁:排尿機能は正常でも、身体運動機能の低下や認知症が原因で起こる
女性に最も多いのは腹圧性尿失禁で、週1回以上経験している女性は500万人以上ともいわれています。次いで多いのが切迫性尿失禁で、両方の症状が混在する「混合性尿失禁」も少なくありません。
なぜ尿漏れが起きるの?原因を詳しく解説
原因を知れば、対策が見えてきます。
尿漏れが起きる背景には、骨盤底筋群の衰えが深く関わっています。骨盤底筋群とは、膀胱・子宮・直腸などを下から支えるハンモック状の筋肉群のことです。この筋肉が緩むと、尿道の締まりが弱くなり、尿が漏れやすくなります。
腹圧性尿失禁の原因
骨盤底筋群が緩む主な原因として、以下が挙げられます。
- 出産:分娩時の筋肉・神経へのダメージ
- 加齢:筋肉量の低下とホルモン変化
- 肥満:膀胱への持続的な圧迫
- 荷重労働・強いいきみ:骨盤底筋への繰り返しの負荷
- 喘息:慢性的な咳による骨盤底筋へのダメージ
産後に「くしゃみで漏れるようになった」と気づく方は多いです。実はこれ、出産による骨盤底筋へのダメージが原因のことがほとんどです。「産後だから仕方ない」と放置せず、早めに対処することが大切です。
切迫性尿失禁の原因
切迫性尿失禁は、膀胱が勝手に収縮してしまうことで起こります。
脳血管障害などによる排尿コントロールの障害が原因になることもありますが、多くの場合は特定の原因がなく膀胱が過敏になっている状態(過活動膀胱)です。女性では膀胱瘤や子宮脱などの骨盤臓器脱も原因になることがあります。
更年期・高齢期に増える理由
更年期以降は女性ホルモン(エストロゲン)の低下により、膣や尿道の粘膜が萎縮します。これにより尿道の閉鎖機能が低下し、尿漏れが起きやすくなります。また、腎臓の濾過機能の変化で夜間に尿が多く作られるようになることも、高齢期の尿漏れに影響します。
尿漏れの検査・診断はどう行われる?

受診をためらっている方へ。検査は思ったより怖くありません。
まず問診と診察から始まります。数日間排尿日誌をつけてもらうことで、排尿の状態や尿漏れの程度を把握します。ほとんどの場合、身体への負担が少ない以下の検査で診断がつきます。
- 尿検査:尿路感染症の有無を確認
- padテスト:パッドの重量変化で尿漏れの重症度を判定
- エコー(超音波検査):残尿量の測定
必要に応じて、内診台での診察や尿流動態検査、膀胱鏡検査などの詳しい検査を行うこともあります。原因を特定するために脳や脊髄の画像検査が必要になる場合もあります。
「内診が恥ずかしい」「何をされるかわからなくて怖い」——そんな不安を持つ方は多いです。でも、担当医に事前に「どんな検査をするか教えてほしい」と伝えるだけで、ずっと安心して受診できます。一人で悩まず、まず相談してみてください。
尿漏れの治療法〜保存的療法から手術まで
治療は、症状の種類と重症度に合わせて選択します。
軽症であれば生活習慣の改善や骨盤底筋訓練から始め、効果が不十分な場合は薬物療法や手術療法へとステップアップします。いずれのタイプも、適切な治療によって改善が期待できます。
骨盤底筋訓練(ケーゲル体操)
骨盤底筋訓練は、尿道の周りにある外尿道括約筋や骨盤底筋群を鍛えるトレーニングです。
腹圧性尿失禁・切迫性尿失禁のどちらにも効果的とされており、特別な器具も費用も不要で、自宅で実践できます。ただし、正しい方法で継続することが重要です。全身が疲れたり、肩や腰が疲れる場合は骨盤底筋以外に力が入っており、正しい方法ではありません。
ななほしクリニックでも、骨盤底筋体操の指導を行っています。正しいやり方を専門家から直接教わることで、より効果が期待できます。
薬物療法
切迫性尿失禁(過活動膀胱)には、抗コリン薬やβ3受容体作動薬などの薬物療法が有効です。膀胱の過剰な収縮を抑え、急な尿意や尿漏れを改善します。
ペッサリー治療
骨盤臓器脱が原因の尿漏れには、ペッサリー(丸いリング状の器具)を腟内に挿入する治療が選択肢の一つです。
臓器の脱出を物理的に支えることで、尿漏れや排尿困難などの症状を改善します。ななほしクリニックでもペッサリー挿入治療を提供しており、手術を希望しない方や手術リスクが高い方にも対応できます。
手術療法
保存的療法で改善しない腹圧性尿失禁には、手術が適応となります。
代表的な術式として、ポリプロピレンメッシュのテープで尿道を支えるTVT手術またはTOT手術があります。体への負担が少なく、長期成績も優れています。手術時間は30分程度で、入院期間も短い術式です。
ななほしクリニックでは、手術が必要と判断した場合は適切な他施設へご紹介する連携体制を整えています。安心してご相談ください。
尿漏れの症状、専門医にご相談してみませんか
「受診するほどではないかも」と思っていても、専門医へのご相談が早期ケアへの第一歩になることがあります。どうぞお気軽にどうぞ。
お電話:072-288-6170 月〜金 9:00〜19:00(水は〜16:00)
日常でできる尿漏れ予防策

生活習慣の見直しが、尿漏れ改善の土台になります。
治療と並行して、日常生活でできることを取り入れることが大切です。以下のポイントを意識してみてください。
水分摂取の適切な管理
尿漏れが気になると、水分を控えようとする方が多いです。しかし、水分不足は膀胱炎のリスクを高め、尿が濃くなって膀胱を刺激します。1日コップ5〜8杯程度の水分摂取を目安にしましょう。
コーヒーやお茶などカフェインを含む飲み物は膀胱を刺激しやすいため、気になる方は控えめにすることをおすすめします。
体重コントロール
肥満は膀胱を圧迫し、骨盤底筋を締めにくくする原因になります。急激なダイエットではなく、バランスの良い食事と適度な運動で、無理のない体重管理を心がけましょう。
便秘の改善
便秘は膀胱を圧迫し、骨盤底筋の機能を低下させます。3食バランス良く食べ、朝食後の排便習慣をつけることが大切です。
骨盤底筋訓練の継続
骨盤底筋訓練は毎日継続することで効果が現れます。テレビを見ながら、通勤中など、日常の隙間時間に取り入れてみてください。
骨盤臓器脱と尿漏れの関係
尿漏れの背景に、骨盤臓器脱が隠れていることがあります。
骨盤臓器脱とは、骨盤内の臓器(膀胱・子宮・直腸など)が腟や肛門から脱出してくる疾患の総称です。子宮脱・膀胱瘤・直腸瘤・直腸脱などさまざまな種類があります。
骨盤臓器脱の症状
- 外陰部にピンポン玉のようなものを触れる感覚
- 下腹部が下がってくる感じ
- 尿がすっきり出ない・残尿感
- 頻尿・尿漏れ・排便困難
「なんとなく下腹部が重い」「お風呂で何か触れる」と感じたことはありませんか?それが骨盤臓器脱のサインかもしれません。放置すると症状が進行することがあるため、早めの受診をおすすめします。
ななほしクリニックでの対応
ななほしクリニックでは、骨盤臓器脱に対して以下の治療を提供しています。
- 骨盤底筋体操の指導:症状の改善・進行抑制を目的とした個別指導
- ペッサリー挿入治療:丸いリング状の器具で臓器の脱出を防ぐ保存的治療
- 他施設への紹介:手術が必要な場合は適切な医療機関へ紹介
膀胱炎と尿漏れの関係〜早期受診が大切な理由
尿漏れと膀胱炎は、別の疾患ですが関連することがあります。
膀胱炎は、細菌感染により膀胱の粘膜に炎症が起こる疾患です。女性は尿道が約3センチと短く、肛門に近い構造のため、細菌が侵入しやすく膀胱炎になりやすい特徴があります。
膀胱炎の主な症状
- 排尿時の痛み・灼熱感
- 頻尿(何度もトイレに行きたくなる)
- 残尿感
- 下腹部の不快感・違和感
膀胱炎を放置すると、細菌が尿管を通って腎臓まで感染が広がり、腎盂腎炎(じんうじんえん)を併発することがあります。腎盂腎炎は発熱・腰痛・悪寒などの全身症状を伴う重篤な疾患です。
膀胱炎の疑いがある症状が出た場合は、早めの受診をおすすめします。ななほしクリニックでは膀胱炎の診療にも対応しており、適切な治療を提供しています。
まとめ〜尿漏れは改善できます。一人で悩まないでください
尿漏れは、多くの方が経験する身近な悩みです。
腹圧性・切迫性・溢流性・機能性と種類はさまざまですが、いずれも適切な治療と生活習慣の改善によって、症状の改善が期待できます。骨盤底筋訓練・薬物療法・ペッサリー治療・手術療法など、選択肢は豊富にあります。
「年齢のせいだから仕方ない」「恥ずかしくて相談できない」——そう思って一人で抱え込まないでください。
ななほしクリニックは、大阪府堺市の初芝駅前に位置し、形成外科・皮膚科・婦人科・美容皮膚科に対応しています。骨盤臓器脱・膀胱炎の診療はもちろん、骨盤底筋体操の指導やペッサリー挿入治療も提供しています。電話予約・WEB予約に対応しており、アクセスしやすい環境を整えています。
少しでも気になる症状があれば、ぜひお気軽にご相談ください。あなたの生活の質を取り戻すお手伝いをします。
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著者情報

副院長
久米川 綾(くめがわ あや)
経歴
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2015年3月 |
和歌山県立医科大学医学部 卒業 |
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2015年4月 |
和歌山県立医科大学付属病院 |
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2017年4月 |
和歌山県立医科大学産婦人科 学内助教 |
|
2020年4月 |
和歌山ろうさい病院 |
資格・所属学会
- 日本専門医機構認定産婦人科専門医





