薄毛
薄毛
AGA(エージーエー)、FAGA(エフエージーエー)という言葉を最近テレビなどでよく耳にするようになりました。AGAとはAndrogenetic Alopeciaを略した用語で、男性ホルモンに関係した脱毛症、つまり「男性型脱毛症」のことです。進行性であることが特徴で、早い人では20代からはじまり、徐々に進行して40代以降に最終形になります。AGAは他の脱毛症と異なり、思春期以降に額の生え際や頭頂部の髪がどちらか一方、または双方から薄くなり進行していきます。
通常、髪の毛は「成長期」→「退行期」→「休止期」のサイクルで生え変わりますが、このサイクルを繰り返す中で成長期が短くなり、休止期にはとどまる毛包が多くなり、額の生え際や頭頂部の頭髪が軟毛化して細く短くなってきます。つまり髪の毛が十分に成長しないまま抜けてしまうために、いわゆる薄毛という状態になります。このヘアサイクルは約4〜5年が通常ですが、AGA(エージーエー)ではサイクルが早まり、数か月単位で髪の毛が生え変わります。何もしないでいると髪の毛は減り続け、徐々に薄くなっていきます。進行を抑えるためには早期のケアがとても大切です。原因は血中を循環するテストステロンが5α-還元酵素によりジヒドロテストステロンに変換され、AGAではジヒドロテストステロンの作用により薄毛が進行します。AGAの治療薬は5α-還元酵素をブロックする5α-還元酵素阻害薬であり、フィナステリドとザガーロの二種類の飲み薬で日本では治療可能です。フィナステリドは上記の5α-還元酵素のⅡ型のみを阻害するのに対して、ザガーロの主成分であるデュタステリドはⅡ型とⅠ型を阻害します。よってⅡ型のみを阻害するフィナステリドよりも、Ⅰ型とⅡ型の両方を阻害するデュタステリドのほうが発毛効果はより高いと考えられており、臨床試験において、デュタステリドを24週間の飲んだ場合は、フィナステリドに比べて発毛効果が約1.6倍、毛髪の太さは1.45倍とするデータがあります。
女性のAGAは、男性と異なり、更年期に多く、頭頂部の広範囲にわたって薄くなる特徴があります。現在、男性型脱毛症(AGA)ではなく「女性型脱毛症(Female pattern hair loss:FPHL)」という病名で区別されています。女性にも男性ホルモンは存在していますが、それに拮抗する女性ホルモンがあり薄毛になっていくのを防いでくれています。しかし、何らかの原因で女性ホルモンが少なくなってしまい、相対的に男性ホルモンが優位となり薄毛になることをFAGAといいます。原因としては遺伝、加齢、生活習慣、ストレス等さまざまなものがあります。
男性の薄毛に関しては認知度が進んできましたが、女性の薄毛についてはまだまだ広く知れ渡っているとは言えない状況です。実際に悩んでいる方は多く、やっとの思いでご来院される方がほとんどです。
当院では、抜け毛の原因物質と考えられるジヒドロテストステロン(DHT)の抑制効果が期待できる内服薬を処方しております。内服薬での治療は、髪の毛のヘアサイクルが関係するため、効果が発揮されるまで少なくとも半年程度は要します。半年後、効果が実感できたら、その後は長期的に服用を続けていただくことが大切です。効果の現れ方には個人差があります。短期間で効果が現れないといってご自身の判断で服用を中断してしまうと、AGAの進行を薬で止めている状態ですので、再び進行が始まります。服用を止める際は、医師にご相談ください。
世界60カ国以上、日本でも厚生労働省から認可されているAGA治療薬です。プロペシアの有効成分フィナステリドが、Ⅱ型5αリダクターゼ(還元酵素)の働きをブロックして、薄毛、抜け毛の原因を改善させます。
初期脱毛、勃起不全・性欲減退、肝機能障害、うつ症状
フィナステリド錠は、プロペシアと同様に「フィナステリド」を1mg含んだジェネリック薬品です。効果や副作用は同様です。治療料金を抑えたい方におすすめです。
デュタステリドを主成分としたザガーロはプロペシア同様、AGA発症の原因となるDHT(ジヒドロテストステロン)を抑制する働きがあります。プロペシアに続きAGA治療薬として厚生労働省に認可されました。
射精障害や性欲減退、勃起不全といった性機能不全
発疹や頭痛、抑うつ、腹部不快感、乳房の女性化や痛みなどの乳房の症状、そのほか肝機能障害やアレルギー反応、むくみやめまい
性欲の減退、勃起機能不全(ED)、肝機能障害等がみられることがあります。肝機能障害のある方は必ずお申し出ください。
前立腺がんの検診を受ける予定のある方は、検査の数値に影響を及ぼすことがありますので、検査実施前に、医師に服用している旨をお伝えください。妊婦や妊娠している可能性のある女性や授乳中の女性では、胎児の発育に影響を及ぼす可能性があります。
症状の悪化を防いで進行を遅らせることが主目的であるため、根本的に改善するにはほかの方法も取り入れる必要があるといえます。
症状の悪化を防ぐとともに、作用の強弱はありますが、気になる薄毛部分を改善する働きが認められています。
プロペシアの効果が出る時期 | 早い人で3か月ほど、目安としては半年後 |
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ザガーロの効果が出る時期 | 半年から1年後 |
ミノキシジルは世界で初めて認可された脱毛症治療薬で、発毛を促す効果があります。血管拡張作用があり、高血圧治療薬として開発されましたが、その後、薄毛対策薬として効果が認められました。ミノキシジルは毛細血管を広げ血液の流れをスムーズにするだけでなく、主に髪の毛の成長を促す毛乳頭細胞に働きかけ、ヘアサイクル(毛周期)を延長させる働きを持っています。さらに、毛乳頭細胞からつくられる「発毛因子」の産生を促したり、毛乳頭細胞そのものを増殖させる働きもあることから、ミノキシジルは発毛を促す成分として位置づけられています。また、ミノキシジルには、髪の毛を生成する毛母細胞の死滅(アポトーシス)を抑制する働きもあります。これによりヘアサイクル(毛周期)の成長期が延長され、育毛及び脱毛抑制への効果が期待できます。
内服薬は、血中より毛球部分にある毛乳頭を辿って効果をあらわします。また、内服薬は体内の血中から薬効を発揮するため、外用薬よりも高い発毛効果が期待できると考えられています。薄毛改善に効果が期待できる内服薬ですが、国内において臨床試験が行われていないことから、薄毛治療薬としては推奨されていません。しかし、適正な知識と経験のある医師のもと処方が行われるのであれば、安全で有用な治療薬です。ミノキシジルは発毛を促す治療薬ですが、AGAの進行を抑制するわけではありません。そのためAGA治療にあたってはミノキシジルのみの投与と比べ、フィナステリドやデュタステリドなど他の治療薬と併用した方が発毛効果を高めるという研究結果も出ています。また、フィナステリドなどは女性への処方は基本的に禁忌とされている治療薬ですが、ミノキシジルにおいては女性でも使用が可能です。
ルグゼバイブの大きな特徴は、含有成分がパントガールに似ている点があげられます。ルグゼバイブはパントガールの成分にさらに、馬プラセンタとコロストラムを加えています。そのため、ルグゼバイブは、薄毛や抜け毛といった脱毛に対して大きな効果が期待できますが、さらに馬プラセンタに含まれる成長因子が身体全体のアンチエイジングに効果を発揮してくれます。
馬プラセンタは、髪の育成を司る猛母細胞を活性化する働きがあり、さらに髪にコシやハリを蘇らせてくれる効果があります。そして、もうひとつの主要成分であるコロストラムにも毛髪の成長因子が含まれています。そのため、抜け毛や薄毛に悩む人にとって大きな助けになるでしょう。また、髪質改善や白髪予防にも効果があることが知られていて、さらに肌全体のアンチエイジングにも効果が期待できます。育毛剤のジャンルとなっていますが、含有成分によりアンチエイジングに効果があり、肌の活性化に対しても期待されている経口剤です。そのため、肌の血色などに悩みを持っている女性に、他には出産後、加齢や体力消耗による体調不良など幅広く効果が期待できます。育毛や美肌、疲労回復の他には、爪の傾向維持についても効果があることがわかっています。
当院は男性用(VL05/07/15)、女性用(VL02)のミノキシジル外用がございます。毛包に直接作用し育毛を促すミノキシジル外用薬は正式に認可された育毛剤(5%)で、育毛に対する治療有効率が高い数値で証明されています。
ヴェラルティスVL02/05/07/15は若々しく、自然な髪の成長サイクルを促し、最初の抜け毛の兆候や脱毛症の改善治療に効果的です。有効成分ミノキシジルは毛包を強くし、髪の水分を閉じ込めることで保湿効果を保ち、活気ある髪を再生します。また他の有効成分、プロキャピルとアデノシンの配合により、新たな髪の成長を刺激し、手触りの良い、美しい髪の状態へと導きます。これらの成分の配合により、薬剤がしみるといった痛みが減り、髪密度改良に伴う頭皮の炎症といった副作用が軽減されます。
かゆみ、かぶれ、むくみ、多毛、アレルギー、動悸、かゆみ等
1日2回、1回につき5回プッシュの容量(約1ml)を使用し、特に抜け毛や薄毛の気になる部分である頭皮の毛穴に浸透するようにまんべんなく約2分~4分程度マッサージします。終わったら手を洗ってください。薬 剤塗布後、4時間以上、放置してください。
指示した使用量以上の塗布を行っても、効果が伸びることはありません。最も効果が表れる方法は高品質のシャンプーで髪を洗うことです。効果が期待できる最適な治療を行うために専門医師に相談して使用してください。脱毛の原因を抑制するAGA薬など脱毛症治療薬と併用が効果的です。