

しみ治療の回数が気になる方へ
お顔のしみが気になり始めたとき、「どのくらい通院すれば改善するのだろう」と不安に感じる方は少なくありません。
しみ治療は、しみの種類や治療法によって必要な回数が大きく異なります。
たとえば、レーザー治療では1~2回で効果を実感できることもあれば、肝斑のように数か月から半年以上かけて根気強く治療を続ける必要があるケースもあります。また、治療後に一時的に色素沈着が生じることもあり、最終的な効果が現れるまでには時間がかかる場合もあるのです。
この記事では、日本美容皮膚科学会所属の形成外科専門医として、しみの種類別に治療法と回数の目安をわかりやすく解説します。
しみの種類と治療回数の関係
しみには複数の種類があり、それぞれ原因や特徴が異なります。
そのため、適切な治療法を選ぶことが重要です。
老人性色素斑(日光黒子)
老人性色素斑は、紫外線や加齢によって生じる茶色いしみで、境界線が比較的はっきりしています。30代以降に徐々に目立ち始めることが多く、顔だけでなく手の甲や腕にもできることがあります。
この種類のしみには、レーザー治療や光治療(IPL)が効果的です。レーザー治療では、高出力のレーザーでメラニン色素を破壊するため、1~2回の照射で改善が期待できます。ただし、照射後は一時的にかさぶたができ、1~2週間程度のダウンタイムが必要です。
一方、光治療(IPL)はマイルドな反応を目的としており、月1回のペースで4~5回程度の照射を繰り返すことで徐々に薄くしていきます。ダウンタイムが少なく、日常生活への影響が小さい点が特徴です。
そばかす(雀卵斑)
そばかすは遺伝的な要素が関係しており、幼少期から見られることが多いしみです。頬から鼻にかけて広範囲に細かく散らばるように現れ、季節によって色が濃くなったり薄くなったりすることもあります。
そばかすの治療には、レーザー治療や光治療が選ばれます。レーザー治療では、しみのある部分にピンポイントで照射し、かさぶたの状態を経て徐々に薄くしていきます。そばかすは範囲が広いため、継続的な治療が必要になるケースが少なくありません。
光治療では、月1回のペースで5回程度の照射を行うことが一般的です。
肝斑
肝斑は、30代以降の女性に多く見られるしみで、頬の上部に左右対称にできることが特徴です。紫外線や肌への刺激、ホルモンバランスの崩れなど、さまざまな原因が考えられていますが、明確には解明されていません。
肝斑の治療には、内服薬(トラネキサム酸など)や外用薬、レーザートーニング、ピーリングが選ばれます。従来のレーザーでは悪化の可能性があったため、低エネルギー照射が可能なレーザートーニングが主流となっています。最近では肝斑のためのピーリングが効果的なことも多いです。
レーザートーニングは、2週間に1回のペースで5回程度を1クールとし、その後は1~2か月に1回のペースで継続することが多いです。肝斑は再発しやすいため、長期的なケアが必要になります。
主要な治療法別の回数目安
しみ治療には、レーザー治療、光治療(IPL)、ピーリング、内服・外用薬など、複数の選択肢があります。
それぞれの治療法で必要な回数や期間が異なるため、自分のしみの種類やライフスタイルに合った方法を選ぶことが大切です。
レーザー治療(Qスイッチルビーレーザー・ピコレーザー)
レーザー治療は、高出力のレーザーでメラニン色素を破壊する方法です。Qスイッチルビーレーザーは、メラニン色素への反応が最も高い波長を持ち、1回で取り切りたい方に適しています。ピコレーザーは、パルス幅が短いため、メラニン色素の粒子を細かく粉砕でき、比較的早く効果を実感できるといわれています。
レーザー治療の回数目安は、1~2回です。ただし、照射後は軽い火傷のような状態になるため、施術部位をテープで保護する必要があります。かさぶたが取れるまでには1~2週間程度かかり、その後、炎症後色素沈着(戻りシミ)が生じることがあります。この色素沈着が消えるまでには、3~6か月程度かかることが一般的です。

光治療(IPL・フォトフェイシャル・BBL)
光治療は、様々な波長の光を同時に照射することで、しみだけでなく赤ら顔や小じわ、リフトアップ効果も期待できる治療法です。マイルドな反応を目的としているため、目立つかさぶたを作らない程度の反応が一般的です。
光治療の回数目安は、月1回のペースで4~5回程度です。治療直後からお化粧や洗顔が可能で、ダウンタイムが少ない点が特徴です。ただし、初めての方や濃いしみに対しては、小さなかさぶた(マイクロクラスト)ができることがあります。
光治療は、2回目以降はかさぶたができることが少なくなり、徐々にしみを薄くしていく効果があります。
レーザートーニング
レーザートーニングは、低出力のレーザーをシャワーのように照射することで、肝斑を悪化させずに徐々に薄くすることができる治療法です。痛みが少なく、顔全体のメラニンを徐々に除去できるため、そばかすやくすみを改善し、肌のトーンを上げる効果もあります。
レーザートーニングの回数目安は、2~4週間ごとに5~10回程度です。1クール目は2週間に1回のペースで5回行い、その後は1~2か月に1回のペースで継続することが多いです。肝斑は再発しやすいため、長期的なケアが必要になります。
ピーリング(リバースピール)
ピーリングは、トラネキサム酸、グルタチオン、システインなどの美白成分を肌に浸透させ、肝斑・くすみ・しみ・色素沈着を改善していく治療法です。
ピーリングの回数目安は、4週間に1回のペースで5回程度を1クールとし、その後はレーザー治療あるいは同治療を1~2か月おきに継続します。施術後の赤みや乾燥が生じることがありますが、ダウンタイムは比較的少ないです。

内服・外用薬
内服薬(トラネキサム酸、ビタミンCなど)や外用薬(ハイドロキノン、トレチノインなど)は、メラニンの生成や沈着を防ぐ効果があります。ほとんどのしみに対して使用できますが、単独では効果が弱めです。
内服・外用薬は、半年以上の継続が必要です。ダウンタイムはありませんが、他の治療法と併用することで、より効果的にしみを改善できます。
治療効果が実感できるまでの期間
しみ治療の効果を実感できるまでの期間は、治療法やしみの種類によって異なります。
ここでは、治療後の経過と効果が現れるまでの目安を段階的に解説します。
治療直後~かさぶたが取れるまで(1~2週間)
レーザー治療や光治療を受けた直後は、照射部位が軽い火傷のような状態になります。レーザー治療の場合、施術部位をテープで保護する必要があり、かさぶたができます。このかさぶたは、通常1~2週間程度で自然に脱落します。
光治療の場合、目立つかさぶたができることは少ないですが、濃いしみや細かいしみに対しては、小さなかさぶた(マイクロクラスト)ができることがあります。この期間は、強くこすらないように注意し、保湿と紫外線予防をしっかり行うことが大切です。
かさぶたが取れた後~色素沈着が消えるまで(3~6か月)
かさぶたが取れた後、炎症後色素沈着(戻りシミ)が生じることがあります。これは、治療による炎症反応の一環であり、通常は3~6か月程度で徐々に薄くなっていきます。
この期間は、紫外線予防と保湿を徹底し、肌への刺激を避けることが重要です。外用薬(ハイドロキノンなど)を併用することで、色素沈着の改善を促すことができます。

色素沈着が消えてから(治療後6か月以降)
色素沈着が消えた後は、しみが改善された状態が安定します。ただし、しみは再発しやすいため、継続的なスキンケアと紫外線予防が必要です。
肝斑の場合、再発予防のために1~2か月に1回のペースでレーザートーニングを継続することが推奨されます。また、内服薬や外用薬を併用することで、再発リスクを低減できます。
再照射が必要な場合
しみの種類や濃さによっては、1回の治療では完全に改善しないことがあります。その場合、数か月空けて再照射を行うことがあります。再照射のタイミングは、医師と相談しながら決定します。
治療回数を左右する要因
しみ治療の回数は、しみの種類や治療法だけでなく、いくつかの要因によって変動します。
ここでは、治療回数に影響を与える主な要因を解説します。
しみの濃さと範囲
しみが濃く、範囲が広い場合、治療回数が増える傾向があります。濃いしみは、メラニン色素が深い層に沈着していることが多く、1回の治療では完全に除去できないことがあります。また、範囲が広い場合、複数回に分けて照射する必要があります。
肌質と体質
肌質や体質によって、治療の反応や回復速度が異なります。敏感肌の方は、炎症後色素沈着が生じやすく、回復に時間がかかることがあります。また、メラニン色素の生成が活発な方は、再発リスクが高いため、継続的な治療が必要になります。
紫外線対策とアフターケア
治療後の紫外線対策とアフターケアが不十分な場合、色素沈着が悪化したり、しみが再発したりすることがあります。紫外線予防(日焼け止め、帽子、日傘など)と保湿を徹底することで、治療効果を最大限に引き出すことができます。
複数のしみが混在している場合
多くの方は、老人性色素斑、そばかす、肝斑など、複数の種類のしみが混在しています。この場合、それぞれのしみに適した治療法を組み合わせる必要があり、治療回数が増えることがあります。
治療を受ける際の注意点
しみ治療を受ける際には、いくつかの注意点があります。
ここでは、治療前後に気をつけたいポイントを解説します。
治療前の準備
治療前には、紫外線対策を徹底し、肌への刺激を避けることが大切です。日焼けした肌に治療を行うと、炎症後色素沈着のリスクが高まります。また、レチノール配合の化粧品やピーリング剤の使用は、治療の1週間前から控えることが推奨されます。
治療後のアフターケア
治療後は、紫外線予防と保湿を徹底することが重要です。かさぶたができた場合は、無理に剥がさず、自然に脱落するのを待ちます。また、強くこすったり、刺激の強い化粧品を使用したりすることは避けましょう。
ダウンタイムの確認
レーザー治療の場合、1~2週間程度のダウンタイムが必要です。この期間は、テープで保護する必要があるため、仕事や予定に影響が出る可能性があります。光治療やレーザートーニングは、ダウンタイムが少ないため、日常生活への影響が小さいです。
医師との相談
しみの種類や治療法は、専門医の診断が必要です。自己判断で治療を選ぶと、効果が得られなかったり、悪化したりすることがあります。治療前には、必ず医師と相談し、自分に合った治療法を選びましょう。
まとめ
しみ治療に必要な回数は、しみの種類や治療法によって大きく異なります。
老人性色素斑やそばかすには、レーザー治療や光治療が効果的で、1~5回程度の治療で改善が期待できます。一方、肝斑には、レーザートーニングや内服薬を併用した長期的なケアが必要です。
治療効果を最大限に引き出すためには、紫外線対策とアフターケアを徹底し、医師の指示に従って継続的に治療を受けることが大切です。
しみでお悩みの方は、まずは専門医に相談し、自分に合った治療法を見つけましょう。ななほしクリニックでは、形成外科専門医が一人ひとりの肌の状態に合わせた治療プランをご提案しています。お気軽にご相談ください。
しみ治療を検討している方へ
しみの種類や肌状態によって、必要な治療回数や方法は異なります。医師による診察をもとに、適した治療計画をご提案します。
初診では肌状態を確認し、治療回数や費用の目安をご説明します。
IPL光治療の詳細
著者
久米川 真治(くめかわ しんじ) 医師
ななほしクリニック 院長

形成外科・皮膚科・美容皮膚科を専門とする医師。
保険診療から自費診療まで幅広い臨床経験を有し、形成外科専門医として、疾患の正確な診断と患者負担の少ない治療を重視した診療を行っている。
本サイトでは、医師としての臨床経験と医学的根拠に基づき、症状・治療法・注意点について、一般の方にも理解しやすい医療情報の発信を行っている。




