LVAと脂肪吸引の違いとは?適応・ダウンタイム・効果を徹底比較|ななほしクリニック|初芝駅の形成外科・皮膚科・婦人科・美容皮膚科

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LVAと脂肪吸引の違いとは?適応・ダウンタイム・効果を徹底比較

LVAと脂肪吸引の違いとは?適応・ダウンタイム・効果を徹底比較|ななほしクリニック|初芝駅の形成外科・皮膚科・婦人科・美容皮膚科

LVAと脂肪吸引の違いとは?適応・ダウンタイム・効果を徹底比較

公開日: 未公開

リンパ浮腫治療における選択肢の重要性

リンパ浮腫の治療を検討されている方にとって、「LVA(リンパ管静脈吻合術)」と「脂肪吸引」という二つの治療法の違いは、非常に重要なテーマです。

これらは全く異なるアプローチの治療法であり、それぞれに適した症例や期待できる効果が大きく異なります。

当院では、リンパ浮腫の専門医として、患者さまお一人おひとりの状態に合わせた最適な治療法をご提案しております。

リンパ浮腫は一度発症すると進行し続ける疾患です。

早期に適切な治療を開始することで、より良い改善効果が期待できます。

本記事では、LVAと脂肪吸引の違いについて、適応症例、ダウンタイム、効果の観点から詳しく解説いたします。

LVA(リンパ管静脈吻合術)とは?

LVAの基本原理

LVAは、リンパ液の流れを改善するための外科的治療法です。

がんの術後などでリンパ節を切除された方や、放射線治療を受けた後にむくみが生じている場合、リンパ液の流れが滞って「洪水」のような状態になっています。

LVAでは、この溢れたリンパ液を静脈につなぐことで、心臓に戻すバイパスを作ります。

手術では、直径0.2~0.8mmという非常に細いリンパ管を同じくらいの細い静脈に吻合します。

この繊細な作業には、手術用顕微鏡で10~20倍に拡大した視野での「スーパーマイクロサージャリー」という高度な技術が必要です。

リンパ管と静脈をつなぐことで、滞っていたリンパ液が静脈を通じて心臓に戻るようになり、むくみの改善が期待できます。

LVAの適応症例

LVAは、以下のような方に適しています。

  • がん術後などでリンパ節を切除されたが、手足に正常なリンパ管が残っている方
  • リンパ浮腫の発症早期の方
  • 脂肪沈着が著明でない方
  • 皮膚の線維化が進んでいない方

早期のリンパ浮腫であるほど、LVAの効果は高くなります。

中には保存的治療が不要となった例もあります。

一方で、リンパ浮腫の病歴が長く脂肪沈着が著明な例や皮膚が線維化した例では、LVAを行っても治療効果は限定的です。

リンパ浮腫が進行すると、リンパ管自体が閉塞してしまい、吻合できるリンパ管が少なくなってしまうためです。

LVAの手術方法とダウンタイム

LVAは局所麻酔で行える低侵襲な手術です。

皮膚の切開は2cm程度と小さく、皮膚と脂肪組織のみを操作するため、身体への負担は最小限です。

1肢につき1-3カ所の吻合を行い、手術時間は2-3時間程度となります。

手術後の痛みも軽度で、日常生活への影響は最小限に抑えられます。

脂肪吸引術とは?

お腹に手をそえている女性

脂肪吸引の基本原理

脂肪吸引術は、増えてしまったボリュームを減少させる方法です。

リンパ浮腫が進行すると、リンパ管内圧が上昇してボリュームが増え、皮膚と脂肪が炎症を繰り返して硬くなります。

この状態では、リンパ管も詰まって閉塞してしまい、元の状態には戻りません。

脂肪吸引は、このように蓄積した脂肪組織を直接除去する治療法です。

特に「VASER脂肪吸引」という方法では、超音波を用いてリンパ管や血管、神経などの重要な組織を傷つけずに、脂肪組織のみを選択的に吸引することが可能です。

リンパ浮腫に対する脂肪吸引は、美容目的の脂肪吸引とは異なり、医学的な治療として行われます。

脂肪吸引の適応症例

脂肪吸引は、以下のような方に適しています。

  • リンパ浮腫の病歴が長い方
  • 脂肪沈着が著明な方
  • 皮膚が線維化している方
  • LVAを行っても効果が限定的だった方

中等症から重症のリンパ浮腫では、リンパ管の狭窄が進行しており、弱い圧力では流れが起きなくなっています。

このような場合、脂肪吸引によって物理的にボリュームを減らすことが有効です。

脂肪吸引は、リンパの流れを改善するものではありませんが、蓄積した脂肪を除去することで、圧迫療法の効果を高めることができます。

脂肪吸引の手術方法とダウンタイム

脂肪吸引は、LVAと比較すると侵襲度が高い手術です。

全身麻酔または硬膜外麻酔が必要となり、手術時間も長くなります。

術後は圧迫固定が必要で、腫れや内出血が数週間続くことがあります。

入院期間も1週間以上となる場合が多く、日常生活への復帰には時間を要します。

**ダウンタイムは3~4週間程度を見込む必要があります。**

ただし、適切に行われた脂肪吸引は、著明なボリューム減少効果が期待できます。

術後も継続的な圧迫療法が必要ですが、ボリュームが減ることで圧迫療法の効果が高まり、日常生活の質が向上します。

LVAと脂肪吸引の併用療法

併用療法の考え方

当院では、患者さまの状態に応じて、LVAと脂肪吸引を組み合わせた治療も行っております。

リンパ浮腫の治療では、「リンパの流れを改善する」ことと「増えたボリュームを減らす」ことの両方が重要です。

LVAでリンパの流れを改善した後、脂肪吸引でボリュームを減らすことで、より良い治療効果が期待できます。

この併用療法は「LVA+LS」と呼ばれ、重症のリンパ浮腫に対して有効な治療法として注目されています。

併用療法では、まずLVAでリンパの流れを改善し、その後に脂肪吸引を行うことで、相乗効果が期待できます。

併用療法の適応

併用療法は、以下のような方に適しています。

  • LVA単独では効果が不十分と予想される方
  • 脂肪沈着が著明だが、流れのあるリンパ管も残っている方
  • より確実な治療効果を希望される方

治療の順序や組み合わせは、患者さまの状態によって異なります。

当院では、術前のICG蛍光造影による重症度評価をもとに、最適な治療計画を立案いたします。

併用療法は、単独療法よりも治療期間が長くなりますが、重症例に対してより良い結果をもたらす可能性があります。

治療効果の比較

LVAの期待できる効果

LVAは、リンパの流れを改善することで以下の効果が期待できます。

  • むくみにくくなる
  • むくんでも戻りが早くなる
  • 炎症(蜂窩織炎)の頻度が減る
  • 圧迫療法を軽くできる
  • 早期例では圧迫療法が不要になる場合もある

LVAはボリュームを直接減じるものではありませんが、リンパの流れを改善することで、以前よりも快適な生活を送れるようになります。

特に早期のリンパ浮腫では、LVAによって圧迫療法の負担が大幅に軽減されることがあります。

また、蜂窩織炎などの炎症を繰り返していた方では、その頻度が減少することが期待できます。

脂肪吸引の期待できる効果

脂肪吸引は、物理的にボリュームを減らすことで以下の効果が期待できます。

  • 著明なボリューム減少
  • 見た目の改善
  • 圧迫療法の効果向上
  • 日常生活動作の改善

脂肪吸引は、蓄積した脂肪を直接除去するため、即座にボリュームの減少を実感できます。

ただし、リンパの流れ自体は改善されないため、術後も圧迫療法の継続が必要です。

ボリュームが減ることで、衣服の選択肢が広がったり、歩行が楽になったりと、日常生活の質が向上します。

併用療法の相乗効果

LVAと脂肪吸引を併用することで、以下の相乗効果が期待できます。

  • リンパの流れ改善とボリューム減少の両立
  • より確実な治療効果
  • 圧迫療法の負担軽減
  • 長期的な状態の安定

併用療法は、単独療法よりも侵襲度は高くなりますが、重症例に対してより良い結果をもたらす可能性があります。

リンパの流れが改善されることで、脂肪吸引後の状態が安定しやすくなります。

治療選択のポイント

重症度評価の重要性

適切な治療法を選択するためには、リンパ浮腫の重症度を正確に評価することが不可欠です。

当院では、以下の検査を行って重症度を評価しております。

  • リンパシンチグラフィ(リンパ機能の全体像把握)
  • ICG蛍光造影(流れのあるリンパ管の詳細可視化)
  • 高周波超音波(流れがよどんだリンパ管の探知)

これらの検査結果をもとに、患者さまに最適な治療法をご提案いたします。

特にICG蛍光造影は、リンパ管の状態を詳細に観察できる検査で、LVAの適応を判断する上で非常に重要です。

流れのあるリンパ管が多く残っている場合はLVAが有効ですが、リンパ管が閉塞している場合は脂肪吸引が適しています。

患者さまのライフスタイルに合わせた選択

治療法の選択には、患者さまのライフスタイルや希望も重要な要素です。

LVAは低侵襲で回復が早いため、仕事や家事への影響を最小限にしたい方に適しています。

一方、脂肪吸引は回復に時間がかかりますが、著明なボリューム減少を希望される方に適しています。

当院では、患者さまお一人おひとりのご希望やライフスタイルを伺いながら、オーダーメードの治療計画を立案いたします。

治療後の生活についても詳しくご説明し、安心して治療を受けていただけるよう努めております。

保存的治療との組み合わせ

手術療法を行った後も、保存的治療の継続が重要です。

リンパ浮腫の基本治療は、弾性着衣による圧迫療法です。

手術療法は、この圧迫療法の効果を高めたり、負担を軽減したりするためのものです。

手術後も、スキンケア、適切な圧迫療法、運動療法、体重管理などを継続することで、より良い状態を維持できます。

当院では、手術後のフォローアップも丁寧に行い、長期的な状態の安定をサポートいたします。

まとめ

LVAと脂肪吸引は、全く異なるアプローチの治療法です。

LVAは「リンパの流れを改善する」治療法で、早期のリンパ浮腫に適しています。

低侵襲で回復が早く、場合によっては圧迫療法が不要になることもあります。

一方、脂肪吸引は「増えたボリュームを減らす」治療法で、進行したリンパ浮腫に適しています。

侵襲度は高いですが、著明なボリューム減少効果が期待できます。

重症例では、LVAと脂肪吸引を併用することで、より良い治療効果が期待できます。

どの治療法が最適かは、リンパ浮腫の重症度、患者さまのライフスタイル、ご希望などによって異なります。

当院では、リンパ浮腫の専門医として、患者さまお一人おひとりに最適な治療法をご提案しております。

リンパ浮腫でお悩みの方は、ぜひ一度ご相談ください。

詳しい治療内容や診療時間については、ななほしクリニックの公式サイトをご覧ください。

皆さまのご来院を心よりお待ちしております。

著者

久米川 真治(くめかわ しんじ) 医師
ななほしクリニック 院長

形成外科・皮膚科・美容皮膚科を専門とする医師。
保険診療から自費診療まで幅広い臨床経験を有し、形成外科専門医として、疾患の正確な診断と患者負担の少ない治療を重視した診療を行っている。

本サイトでは、医師としての臨床経験と医学的根拠に基づき、症状・治療法・注意点について、一般の方にも理解しやすい医療情報の発信を行っている。